2月12日(火)放送分で初めて木里子の病室を訪ねる周作役の篠田三郎さん。
どうしても演技に納得できず、「ほんとにめったにないことなんだけど、撮り直しをお願いしました」
こだわりの演技に注目!


特別企画 ドラマを120%楽しむあらすじ
「ピュア・ラブ」をもっと楽しく見ていただくために、ドラマ作りの裏側もチョッピリ教えちゃいます。
第11回(2月11日 月曜)
木里子(小田茜)から、「血液に異常数値が出た」と聞いた周作(篠田三郎)は、白血病の疑いを抱き、自分が勤める病院に入院させる。そして友人の白井(石倉三郎)が担当になり、検査を始める。菊乃(高田敏江)は突然の入院に心配する。そして、検査の結果、白血病と診断されるデータが…。

第12回(2月12日 火曜)
木里子が慢性骨髄性白血病と診断され、周作は愕然とする。木里子から聞かれても、まだ本当のことは言えなかった。
一方、龍雲寺では宗達(川津祐介)が風邪をこじらせて、木里子と同じ病院に入院、陽春(猪野学)が見舞いに訪れるが、木里子のことは知らなかった。
菊乃に病気のことを聞かれた周作は、「過度の貧血症」と嘘をつく。

第13回(2月13日 水曜)
木里子を典美(今村雅美)が見舞いに来る。未だに「セクハラ・メール」の犯人は判らないという。木里子は裕太(窪田翔太)のことを心配していた。
一方、龍雲寺を訪ねた忍は、陽春に木里子が入院していることを話す。そんな中、木里子は自分が白血病ではないかと疑い、典美に白血病について調べるよう頼む。

第14回(2月14日 木曜)
陽春が宗達の見舞いに病院へ行き、その帰りに木里子の病室を訪れ、イルカのモビールをプレゼントする。陽春が修行僧になったわけを聞いた木里子は、より陽春が気になる。
一方、裕太にルナ(樋井明日香)の携帯を返させた忍は自分の携帯電話を貸し出すが、ルナは忍が何かたくらんでいると思う。
白井は周作にそろそろ告知の時期だと…。

第15回(2月15日 金曜)
典美は周作と会い、木里子から白血病の資料を頼まれたことを話す。周作は「限りなく白血病に近い」とだけ話し、木里子にも資料を渡して欲しいと頼む。
そして木里子には「明日から治療が始まる」と告げる。検査結果を聞かれ、聞いていないと答えてしまう周作だったが、木里子への告知の決意が固まり…。

特別企画 ドラマを120%楽しむ特別企画。【監督自らの解説】
〜監督からドラマが大好きなあなたへ〜 「ピュア・ラブ」をもっと楽しく見ていただくために、ドラマ作りの裏側をチョッピリ公開。
第11話
この回では桜町小学校(木里子の学校はこういう名前です)の定期検診の血液検査で木里子に白血病の疑いが出て、父である周作の勤める聖ヨハネ病院に入院する事になり、大きくストーリーが動いていくわけですが、この回の最後の方で龍雲寺・・・ちなみにこのお寺は勿論、国分寺市寺町という架空の場所にあるという設定ですが、モデルとして実際にある国分寺市恋ヶ窪(こいがくぼ)というピュア・ラブにふさわしい名前の町を参考にしています。
で、陽春がぶ厚い板を木づちで打ち鳴らしてから座禅をしていますが、この板のことを開板(かいはん)といい、禅僧が修行する寺には必ずあるもので朝夕2回、決まった行事をする前(この場合は座禅)に鳴らして寺内の修行僧に知らせるわけです。つまり、学校の授業開始のチャイムのようなもので、かなりぶ厚い板ですが何年も打ち鳴らしているうちに板のまん中の部分が破れて穴があくのだそうで、もし穴があけば、めでたい事としてその日一日に限り、修行僧にもお酒がふるまわれるそうで、それをたのしみに力一杯板をうつ雲水もいるそうです。

第12話
自分の娘が白血病と知らされて、しかも自分は血液の病気が専門ではないにしても知識もある程度あって、その娘が自分の勤める病院に入院しており会おうと思えばいつでも会える状態にある、まだ白血病とは知らない娘に会うためにその病室にいかなければならない、そんな時の父親の心境は?と考えると木里子の父、麻生周作役の篠田三郎さんの演技がとても楽しみな回です。
それから木里子の病室503号のセットについて一言。この部屋の形とか窓の位置、扉の位置、ベッドの位置などはあらかじめ計算されて設計されています。それは14話で木里子が陽春から病気見舞いのため、ある品物をプレゼントされるのですが、その品物を効果的にみせるためということと、ベッドに横たわった木里子の位置が、去っていく陽春がカーテンの陰に消えていくようにみえる効果をねらっての位置関係で、ドラマというのはこういう細かい所まで考えて作られることが多いのです。ご覧になる時の参考にして下さい。

第13話
今日は登場人物の役名の話をしましょう。ドラマに出てくる人の名前には脚本家は皆、知恵をしぼりますし、各々の作家のセンスがよくわかります。
麻生家では、麻生木里子、麻生周作、麻生菊乃(おばあちゃん)
この中で木里子がなぜ霧子ではないのかというと、霧子では名前があたたかくないのと、第18話で出てくる脚本上のアイデアが使えないからです。詳しくは第18話をご覧下さい。
木里子の恋人が遠宮陽春(とおみや ようしゅん)、禅僧同志では下の名前を通称として使うことが多いので、僧間では春(しゅん)さんと呼ばれます。
明石焼の店「かたつむり」の主人が吉住忍(よしずみ しのぶ)、そのお手伝いの戸ノ山さつき(二人ともとても凝った名前でしょ)、ちなみに店の名前の「かたつむり」も語感のユーモラスな感じが忍のキャラクターにぴったりということもあったと思いますが(「でんでん虫」ではマンガになってしまいますから)、仏教用語では「かたつむり」は雲水のことで、つまり陽春が「かたつむり」を訪ねると「かたつむり」が「かたつむり」に来るわけで、この辺りにも表面には出てきませんが、作家のひそかなたくらみがあるわけです。

第14話
タイトル(ドラマの題名や出演者などの名前を紹介する部分)は40数回見続ける事になるので、どういう画面にするか毎回悩む所です。
特に「ピュア・ラブ」は日本という国を意識した作りになっていますので、味付けは日本の伝統的な美をベースにと考えたのですが、映像表現の核になるべき1つの画面がなかなか思い浮かばなくて困りました。そんな時にこの14話のNo.2のシーンを撮影中、あるアイデアがひらめいて今のタイトルになったわけです。
No.2シーンとは、脚本上の設定はト書きに「木里子がベッドの中でぼんやりテレビをみている」としか書いてありませんがそれでは平凡だと考えて、木里子は後々抗ガン剤の副作用で髪が抜けていくわけですから、その伏線としてブラシで髪をすかせてみました。その時の木里子の顔のクローズアップが非常に印象的だったので、タイトルでヒロインのクローズアップを使うなどというのは実は何十年も前のセンスなのですが、あえて使ってみたわけです。
No.2シーン(タイトル前のシーン)をお見逃しなく。

第15話
この回では木里子の父である周作が木里子に白血病であることを告知することを決心するわけですが、特にみどころの多い回で、木里子の愛犬チャコのかわいい演技、木里子の教え子の4年2組のサボテンブラザーズ(たいちゃん、元、おさむ)の名(?)演技、陽春の師匠の森本宗達の担当のナース(村松ひろみ)も陽春を好きらしいという事もわかります。そして第12話の紹介の所で説明した木里子の病室503号室の部屋の出入口の位置と形や、部屋の奥とは別に手前にも大きな窓があり、夕方になると陽が手前から病室に差しこむといったことが、木里子と陽春との芝居で陽春が去っていく所や、木里子と典美との芝居で典美が窓際のモビールに気づく所などに効いてくるわけですが、そのあたりをよく見て下さい。
ドラマをみる楽しみが増すと思います。